異世界高校生 第2話

地球 日本/東京 古鞍台高等学校グラウンド

  • 下校中に突然目の前で親友である颯希陽斗と箕原優羽が光に包まれ消えてしまった瞬間を間近で目撃した榎南多栞は、どうすればいいか分からず顔面蒼白になっていた。
  • 警察に言っても信じてもらえそうにない。彼女は思い悩んで末、学校へと急いで戻り、彼氏の西依櫂馬に助けを求める。
  • 櫂馬はサッカー部の練習中だった。いきなり栞に泣きつかれて驚く櫂馬だったが、栞の必死な形相に容易ならぬ事態が発生したことを察し、主将(キャプテン)に断りを入れて練習から離れ、栞と共に現場へと向かう。
  • 「陽斗と優羽が光に包まれて消えた」なんてことを櫂馬に言って、果たして信じてもらえるか不安だった栞だが、櫂馬からは意外な答えが返ってくる。

「ダチ(友達)のピンチに、くだらない冗談を言って悪ふざけするようなお前じゃないだろ」

  • 櫂馬は、栞のことを固く信頼してくれているのだ。自分の言い分を信じてくれたことに、栞はちょっぴり感激する。
  • 陽斗と優羽が消えた現場に到着。周囲を見渡し、必死に2人を探す櫂馬と栞。
  • その時、櫂馬と栞の目の前に、先程と同じ光る円形の魔法陣が再び現れる。すると先ほど光の中に消えたはずの陽斗と優羽が戻ってきた!
  • 混乱する櫂馬と栞を前にして、陽斗と優羽は「自分たちは異世界に行ってきて、たった今帰って来た」と主張。俄かには信じられない話だが、こうして陽斗と優羽が光の中に消えたり現れたりしたのを目撃した以上、二人の話を信じざるを得ない。とりあえず4人は落ち着いて話ができる近くの喫茶店へと移動して、2人から説明の続きを聞くことにする。

異世界タシェニュヴルア ノルニアノス王国/パルドヌス神殿 図書室

  • 時は遡る。なんとなく無為に時を過ごしていた陽斗と優羽だったが、以前に盗賊団から優羽を守れなかった悔しさから、陽斗は剣を習い始めていた。
  • 剣技を習い始める陽斗を見て、以前に盗賊団に手籠めにされかけた自分を助けられなかった負い目を感じているのでは?と察した優羽は、自分も魔法を習い始める。
  • 一か月間を見知らぬ異世界で過ごす羽目になった陽斗と優羽は、アンリエッタからレクチャーを受け、タシェニュヴルアの文化や歴史、地理を積極的に勉強し、そして魔法を習っていた。